秋の動物園

動物園に行きたいという願いがかなった先日の秋晴れの日。自分のために動物園にいったのは実に何年ぶりか、何十年ぶりか。毛繕いをするサル、無邪気な赤ちゃんライオン、それを見守るお母さんライオン、水の中を気持ちよさそうに泳ぐペンギン、動物にとっての日常を見ていて、とても心が落ち着いていくのがわかった。人が動物に接し、見つめている人の表情というものはなんとも普段は見れないであろう柔和な笑みである。動物が発する特別な温かみ、柔らかさがそうさせているのであろう。気づけば動物観察ではなく、人間観察している自分がいた。動物は本来の人の中に忘れかけている潜在的な心、どこが安らぎ、やさしい気持ちもどす自然回帰させてくれる空間なのかもしれない帰り道、空を見上げるとうろこ雲が忍び寄ってきていた。翌日の天気は雨だった。
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